のぞみ歯科口腔外科 院長の豊留です。
前回は「口腔外科とは何か」ご紹介させて頂きました。
この中で、専門医という資格について簡単に触れさせていただきました。今回はこの「専門医」についてご紹介させて頂きます。
歯科医師はもちろん歯の治療を仕事としていますが、その中でもいくつかの専門分野が分かれています。
その中で、専門医として標榜して良いとされているものを国が定めています。近年は、そのとりまとめを一般社団法人日本歯科専門医機構という組織が担うようになり、ここに登録された各分野の歯科医師が専門医として標榜して良いことになっています。
意外かもしれませんが、現在までに標榜して良いとされてきた専門医の種類は少なく、
・口腔外科専門医
・歯周病専門医
・小児歯科専門医
・歯科麻酔専門医
・歯科放射線専門医
のみです。近年、ここに歯科補綴専門医が加わっています。
私はこの中の口腔外科専門医として認定を受けていますが、この専門医を取得するまでの道のりは長いものであり、それなりにハードルの高いものでした。
まずは大学を卒業し、研修医期間を終えた後、口腔外科を専門とする大学医局等で研修を続けることになります。そして、最初の関門が「口腔外科認定医」という資格です。
この資格は一定の症例を経験し、記号選択式の試験に合格することで取得が可能です。そのため、大学病院等で数年の研修を経ると取得することができ、多くの若手歯科医師が取得しています。私も大学卒後4年目でこの資格を取得し、当時とてもうれしかったことを覚えています。
一方、その次のステップが「口腔外科専門医」です。
これは認定医と異なり、ハードルが高くなります。
症例の経験はもちろん必要ですが、その症例がより難しい疾患となり、数も増えます。
さらに、論文を書き上げて認められる必要があり、これがまさに狭き門です。
その他にも様々な研修や、救急対応の資格取得、麻酔科研修等が続き、ようやく書類申請ができます。
申請後は筆記試験が待っています。この試験が、記号選択ではなく、完全な筆記となります。口腔外科となるとその範囲は膨大で、単に虫歯や入れ歯の話だけではなくなってきます。
筆記試験に合格すると、次は実技試験です。これは、許可を得たうえで実際の手術手技が問題ないか、二人の試験官によって審査を受けます。これもある程度のレベルの手術である必要があります。
以上のような関門を経て、ようやく「専門医」として標榜するための資格を取得できます。
私もこの専門医資格を取得して数年になりますが、取得した当時はなかなか実感がわかず、それなりの達成感を得られたことをよく覚えています。
このような道のりであるため、実際に口腔外科専門医を取得している歯科医師はとても少なく、そのほとんどが大学病院や地域の大きな病院で勤務しているのが現状です。
なお、のぞみ歯科口腔外科では、副院長が歯周病専門医となります。虫歯だけでなく、歯周病や親知らずの悩みなど、お気軽にご相談頂けますと幸いです。
口腔外科|三重郡川越町の歯医者のぞみ歯科口腔外科
のそみ歯科口腔外科
歯科医師 豊留宗一郎