のぞみ歯科口腔外科 院長の豊留です。
引き続き、「親知らず」に関する情報をお届けいたします。
前回まで、親知らずは残した方が良い場合もあることをお伝えしました。
しかしながら、現実的には上下ともに抜歯をせざる負えない方が多いのが事実です。
そこで今回は親知らずを抜歯する際の、代表的な合併症や注意点についてまとめてみようと思います。
①必ず起こる合併症
抜歯は外科手術です。そのため、
「出血」「腫脹」「痛み」
の三つは多かれ少なかれ必ず起こります。
出血に対しては圧迫、腫れが強いときは軽く冷やす、痛みに対しては鎮痛薬を適切に内服する、というのが主な対応法です。
②絶対ではないが起こりうる合併症
「感染」「ドライソケット」
が挙げられます。
感染については、傷からばい菌が入り込んでしまい、膿がでたり腫れたりする状態です。口腔内を清潔に保ち、抗生剤を内服することで対処します。
ドライソケットは、歯を抜いた穴のかさぶたが、何かしらの理由でなくなってしまうことで痛くなる状態です。この場合、ゆっくりと歯茎が再生して治っていくのですが、しばらく痛み止めを内服する必要があります。
③まれな合併症
「神経麻痺」「上顎洞炎」
が挙げられます。
顎のまわりにはいろいろな神経が走っています。特に下の親知らずの場合、近くに顎先の感覚を伝える神経と、味を感じる神経が走行しています。これらの神経への刺激が原因となって、しびれが出てしまう可能性があります。
上の親知らずの場合、鼻の横にある上顎洞という空洞に近いため、この空間が炎症を起こす場合があります。
これらの合併症は①や②に比べると稀なものではありますが、無いとは言い切れません。
その他、細かい点を挙げるといろいろとあるのが現実です。
これらのリスクを理解したうえで、親知らずの抜歯は進めていく必要があります。
のぞみ歯科口腔外科では、親知らずの抜歯を行っております。抜歯に際しては、今回紹介した内容を含めて書類で説明を行った上で、皆様から同意を頂き抜歯を行っています。(埋まり方や患者さんの全身状態等によっては、安全上の観点から大きな病院をご紹介させて頂く場合があります)
のぞみ歯科口腔外科
歯科医師 豊留宗一郎